カリブ海を航行中の豪華客船で、ノロウイルスによる６００人以上の集団感染が疑われている。ＡＰ通信などによると、米国の客船運航会社「ロイヤル・カリビアン・クルーズ」は２７日までに、客船内で６２６人が嘔吐（おうと）や下痢の症状を訴えたと発表。１１日間の航行予定を２日間短縮し、２９日に出発地の米ニュージャージー州に戻る。ノロウイルスによる集団感染と確認されれば、米国籍の客船内では最近１年間で最多の発症者数になる。

ノロウイルスによる集団感染が疑われているのは、乗客３０５０人、乗員１１６５人を運んでいる客船「エクスプローラー・オブ・ザ・シーズ」。２１ 日にニュージャージー州ベイヨンから出港し、カリブ海を周遊して、３１日に出発地に戻る予定だった。出港後、吐き気や下痢などの症状を訴える乗客が出始め た。

米疾病対策センター（ＣＤＣ）の発表によると、乗客５７７人、乗員４９人の計６２６人が体調を崩した。重症者はいないが、幼児や高齢者は抵抗力が弱いため、注意を呼び掛けている。ノロウイルスは飲食物などを通じ、建物内では感染が急速に広がるという。